保護者失格。一線を越えた夜
作者:つきのおまめ
63話 配信中
第1話:叔父と姪、ふたりの暮らし
私は、ちずる、20歳
8歳の時、両親が事故で他界した
何が起こったか理解できず
動かなくなった両親を前にしても
泣くこともできなかった
「ちずる、ちゃんと泣けるように
お別れしよう・・」
そう言って静かに泣く
叔父の横顔を見て
私はやっと、涙が出たのだ
それから叔父は私を引き取り
今日まで育ててくれた
そして、20歳になった
そんなある日
叔父が会社の同僚を連れて
家にやってきた
同僚「あ!、と言うことは・・」
・・「ちづるちゃんは20歳になったんだ」
私・「はい!、そうなんです」
・・「やっと大人になりました!」
同僚「じゃあ、一杯だけ付き合ってよ・・・」
私・「ああでも、まだ一回も飲んだことなくて」
同僚「一杯くらいなら大丈夫だよ」
・・「それにしても・・・」
・・「さっきまるで本当の親子みたいだったな・」
・・「瀬名の奴、社内でモテルのに・・」
・・「浮いた話しひとつもないのは・・」
・・「こんな可愛い子が家でまってるからかぁ」
私は勧められてビールを一杯だけ飲んだ!
それも、慣れないから、一気に・・・
そして、私は思った
・・親子じゃないよ!
・・子供じゃないよ!
・・親子みたいって言わないで
・・だって
・・だって・・
・・あっクラクラする
私は倒れてしまった
たった一杯のビールで・・
同僚「わー、ちづるちゃん!!!」
気がつくと、私はソファに寝かされていた
・・あれっ、叔父さん?
・・どうしたの?
・・心配そうな顔・・・
・・ちょっと待ってね
・・体が重くて、熱くて
・・もう少し休んだら
・・ご飯片付けるから
・・大丈夫だよ
・・服が苦しくて
・・ちょっと気持ち悪いだけ
・・だから、そんな顔しないで・・